● 事業概要 ●
平成18年から施行されている障がい者自立支援法により、福祉サービスは、保護から自立にむけての支援を目的としたものになり、福祉サービスに対して、利用者は一律1割の負担を支払うことになりました。このことから、障がい者の就労支援を行っている事業所などは、補助金以外での事業収入を確保し、利用者の工賃アップを実現しようと努力していますが、未だに成功している事例は多くありません。これには、障がい者個々人のスキルの問題に加え、支援者側の課題が大きいと考えられます。現時点では、施設スタッフには、1)障がい者に対して福祉サービスを提供すること、2)彼らの就労に向け業務遂行能力や特定のスキルを習得させること、3)福祉事業をビジネスとして軌道にのせ安定した仕事と給与を保証することの三つが主として要求されていますが、この3つにはそれぞれ異なる能力が必要されるにも関わらず、実際には、人材不足・資金不足から同じ人物がすべてを担うことになり、効率的・効果的な成果が得られていない現状があります。このような問題を軽減し、障がい者のスキルを向上させる仕事づくりと同時に顧客のニーズにこたえる商品開発と販路開拓を実現するために、本事業では、具体的に以下の三つの活動を行いました。

   @支援スタッフ向けのマネジメント講座(「〜プロのスキルを習得しよう!〜商品力&販売力のブラッシュアップ講座」)の開催
   A課題解決に向けての大学との連携事業の推進
   B障がい者就労支援事業所と仕事の発注者との橋渡しをするポータルサイトを開設



● 講座について ●
導入講座:2010.9.1-9.30(うち2回)  実践講座:2010.9.29-2011.1.26(5回)
「〜プロのスキルを習得しよう!〜商品力&販売力のブラッシュアップ」と題した本講座では、民間企業のノウハウを活用し、既存事業の課題要因を洗い出し、その解決に向けた実践を後押しする 講座を開催しております。優れたアイデアについては、商品化や既存の民間企業の通信販売への販路開拓、HPなどで広報支援を行います。
後 援:社会福祉法人京都府社会福祉協議会京都経営品質協議会

第1回:事業課題要因の洗い出しと解決策の具体的プランニング
京都市・南丹地区:2010/9/1(水)15:00-17:00 丹後・ 中丹地区:2010/9/8(水)15:00-17:00

講師
原田 紀久子(NPO法人アントレプレナーシップ開発センター 理事長)
プロフィール
京都府出身。京都大学経営管理大学院修了。スタンフォード大学日本センターの技術革新プログラム担当、京都リサーチパーク(株)インキュベーションマネージャーなどを経て、2003年にNPO法人アントレプレナーシップ開発センターを設立。起業家教育の推進や教材開発、教員研修、創業塾などの企画・運営・指導にあたる。

京都市・南丹地区
丹後・ 中丹地区
内容
ワークシートを使いながら、障害者就労のための事業所の存在意義と目指すゴールについて確認したあと、理想の仕事をするための目標と資源について検討。事業所のミッションや経営理念が明確でなければ、事業内容や目標とするゴールも描けません。基本にかえって考えたあと、利用者の方へのサービス・就労を支援するスキルアップにつながる仕事の在り方、授産製品の市場での販売、目指す工賃アップ等を具体的に数値化。その上で、事業所の資源を「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「専門知識・技術」等に分け、あるもの、ないもの、課題、それへの対策などを整理しました。
第2回:商品力確保と販路拡大のための第一歩
京都市・南丹地区:2010/9/9(木)18:00-21:00 丹後・ 中丹地区:2010/9/16(木)14:00-17:00
講師
三木 久夫(株式会社フェリシモ CCPプロジェクトリーダー)
プロフィール
大阪府出身。1968年に(株)フェリシモに入社。当時、まだ創業期だった同社で事業の立ち上げに関わり、社会的な価値を生み出すことを追求してきた。2003年にチャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト(CCP)を立ち上げ、障害者就労支援の事業所の隠れた技術を世に出す推進役を担う。
京都市・南丹地区
丹後・ 中丹地区
内容
株式会社フェリシモのチャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト(CCP)とその事例を紹介。 CCPでは、障害者就労支援事業所を”アトリエ”と呼び、とフェリシモのパートナーとして、プランナー、協力メーカーやアーティストのコラボレーションにより、手しごとの魅力あふれる商品を作りだされています。 商品開発では、ターゲットをの年代を絞り、季節ごとに商品を展開。 小規模なアトリエが量産体制を確立するために必要な外部企業や事業所等との連携方法、アトリエの優位性を生かした商品づくりのために、既存の発想を捨てて違った視点で商品開発について考える方法などを指導していただきました。
Option:個別アドバイス会
2010/10/6(水)15:00-17:00
講師  三木 久夫(株式会社フェリシモ CCPプロジェクトリーダー)
   
内容
受講生の方々が自分が指導されている商品を持参し、三木氏から個別アドバイスを受けました。総括として「出来た商品を売る」という従来の発想から抜け出し、市場に無い本物志向の商品開発をする必要性、顧客に驚きや、興奮を与える付加価値をつけることが重要であることなどを具体例をあげながら紹介いただきました。


第1回:あなたのお客は誰ですか
2010/9/29(水)18:30-20:30
講師 原田 紀久子(NPO法人アントレプレナーシップ開発センター 理事長)
内容
事業所ごとに「第一の顧客:施設の利用者」、「第二の顧客:商品の購入者」についてグループディスカッションをしながらターゲット顧客について整理。そのなかで顧客のライフスタイルを分析し、ニーズに応じた商品を開発・価格設定したうえで、販売していく方法について議論しました。


Option:原価計算の仕組みを理解し、損益分岐点を見極めよう
2010/10/13(水)18:30-20:30
講師
上西 祥之(上西祥之会計事務所 所長・税理士・社会保険労務士・行政書士)
プロフィール
滋賀県出身。京都産業大学経営学部卒業。2006年に上西祥之会計事務所を開業、有限会社草津マネジメントサポートを設立し同社代表取締役に就任。滋賀県社会福祉協議会・社会福祉法人経営基盤強化委員会委員、草津市社会福祉施設整備審議委員会委員、TKC全国会社会福祉法人経営研究会・滋賀県リーダーなどを務める。
内容
原価計算の仕組みや損益分岐点の計算方法、自立支援・就労継続支援(雇用型・非雇用型)・就労移行支援などの支援内容別の経費の按分や原価基準型等の価格設定について紹介。一般市場では、低価格か高価格のブランド商品しか売れない状況で、中途半端な価格の付け方は失敗を招いているなか、ブランド力の乏しい就労支援事業所は、高付加価値のある商品開発が重要であるとアドバイスをいただきました。
第2回:あなたの提供する価値とは?
2010/10/27(水)18:30-20:30
講師
安倍 泰生(安倍クオリティーマネジメント株式会社 代表取締役)
プロフィール
兵庫県出身。京都大学農学部卒業 サントリーフーズ鰍ネどを経て、1984年ハーゲンダッツジャパン鰍フ設立に関わり、マーケティング室長、取締役営業本部長などを務める。ベン&ジェリーズジャパン鰍フ後、2002年よりコンサルタントとして企業革新、従業員教育などを支援。経営品質協議会認定セルフアセッサー、GIALジャパン認定アクションラーニングコーチ、三重県食の安全アドバイザーなどを務める。
内容
「スターバックスとドトールの顧客の違い」、「観覧車の行列を解消するために二組一緒に乗らせるようにしたらお客は減ったか増えたか・増やすにはどういう人をターゲットにすればよいか」等身近なことを例に、顧客価値について解説。顧客によって求めている価値が違うことを認識し、感動価値を提供するまでのマーケティングのプロセスを説明後、3C、4P、バリューチェーンのマーケティング分析(戦略)についても事例を交えてご紹介いただきました。

第3回:顧客の心をつかむメッセージ
2010/11/24(水)18:30-20:30
講師
加藤 太一 (NPO法人せいらん福祉会理事、就労継続支援事業所 ワークハウスせいらん 施設長)
プロフィール
京都府出身。和装関連小物製造業の四代目として生まれ、三代目である父親の急逝によって、20代から社長として事業経営に携わる。その中で障害者を雇用した事をきっかけに、現在の施設の立ち上げに関わり、2003年4月より無認可共同作業所として活動。2008年9月より就労継続事業所B型。民間企業で培った営業力で、仕事を受注してくる実績は、同業種からも注目されている。京都中小企業家同友会障害者問題委員会委員長。
内容
作業所の強み、弱み、老舗とベンチャーその中身の違い、多品種、大量生産は大企業の独占になるのか等どのようにパートナーとしての顧客を見つけていくかを紹介。全国規模のスーパーでも、地元の支店でしか売れない商品を開発して販売先とするなど、自分の作業所の強み、弱みといった自己分析を通して顧客を見つける方法を例に挙げて説明。「商売のかけひきは恋愛と同じ」とのアドバイスは実践を通じた加藤氏ならではの言葉でした。

第4回:商談会でのセールストーク
2010/12/15(水)18:30-20:30
講師 安倍 泰生(安倍クオリティーマネジメント株式会社 代表取締役)
内容
セールス(商談)プロセスについてご説明いただきました。商談は受付、あいさつ、名刺交換、アピールを行っていきます。相手との信頼関係を築くため、共通の話題を持ち出します。相手に関心を持たせるため、相手の問題点を確認後、解決案を提示します。動機へのアピールをした後、成約を得て、成約内容を確認し、次の機会への宿題をいただきます。一連の流れを通して商談では、お客様と組織との共感を呼び起こすことが重要となることが分かりました。その後、実際に受講生は、商談のロールプレイングを行いました。


第4回:商談会でのセールストーク
2011/1/26(水)18:30-20:30
講師
吉野 智和(NPO 法人エクスクラメーションスタイル 統括マネージャー)
プロフィール
京都府出身。京都YMCA国際ビジネス専門学校卒業後、京都市内の知的障害者通所授産施設で10年勤務。2002年に、田中純輔氏(法人理事長)と共にビジネスと福祉の融合を目指したプロジェクト!-styleを開始。2006年にはNPO法人!-style設立して副理事長に。2007年障害者就労移行支援事業「!-factory」オープン。積極的に民間企業とのコラボレーションなどでデザイン性のある商品開発に挑戦し、助成金活用などでも実績をあげている。
内容
!-styleでは”クルー”と呼んでおられる障害者の方々がモチベーションを持って働ける環境や仕事づくり、企業との連携や助成金の活用など、事例を挙げてのお話いただきました。例えば、クルーが作業をしやすいように、仕事の工程を細かく分解して寸法や型を間違えないような確認の作業を加えたり、企業の大量注文を断るのでなく連携できる事業所を探して応じて信用を築かれていること。魅力ある商品づくりにプロのデザイナーをスタッフに採用したり、作業業種を絞って専門スタッフが指導できる体制を構築。助成金の申請には、助成する側にたってどういう事業にお金を出したいか考えて企画書を書くことなど。また、新聞やテレビ等報道されるなど社会的に評価されることで、クルーの仕事に対する自信につながっていることを伺いました。全て一般企業では当たり前のことでも、障害者就労支援の事業所ではまだまだ出来ていないことばかりです。大きな壁に挑戦しつづける吉野氏のエネルギーに受講生も大いに刺激を受けた時間となりました。
ホームページ作成説明会
2011/2/14(月)13:00-15:00
講師 原田 紀久子(NPO法人アントレプレナーシップ開発センター 理事長)
内容
障がい者就労支援事業所と仕事の発注者との橋渡しをするポータルサイト「Innovation Studio」の説明と、メンバースタジオとして参加される事業所の皆さんに個別のサイト作成についての研修会を開催しました。
なお、開催にあたり、リコージャパン株式会社京滋支社 滋賀事業部のご協力を得て研修場所を利用させていただきました。ここに改めてお礼申し上げます。




お問い合せ先:特定非営利活動法人アントレプレナーシップ開発センター
 〒604-0866 京都市中京区両替町丸太町南入西方寺町160-2 船越メディカルビル3階
      TEL:075−468−8907/FAX:075−468−8908
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