会議内容

日 時:平成24年8月30日(木)10:00-12:00
場 所:京都府庁NPOパートナーシップセンター 会議室
内 容:<配布資料>  会議内容:Ustram
議 題:
1)第一回プラットフォームの振り返り
・賃金補填ではない形での事業支援(初期投資など)や雇用のしくみづくり
・障害者に特化しない社会的弱者全般への就業訓練サービスの提供
・福祉施設と民間企業とが強みを活かして連携するサポート体制
 (実習やアルバイト雇用など段階的就労ができるシステムや就労後も施設でサポートを受けながら働けるようなしくみ)
・農業など担い手不足の産業と連携した就業機会創出
・地域とのつながりを活かし、地域にもメリットのある事業
・「最低賃金を保障しなければならない」という絶対的覚悟をもった経営

2)具体的プロジェクト案の検討
<福祉事業所での工賃向上>
○ブランドづくりやそれによる仕事づくり
→例えばトマトなどの農産物で新しいブランドをつくり、その生産・加工・販売などに関わる仕事を農福連携で創出したり、事業所の付加価値の高い商品を「京都ブランド」として売り出すなど。
ただし、福祉事業所の場合商品が先に出き、それへの思い入れが強くて、誰が顧客なのかというようなマーケティングの部分が弱く、その点をどう強化していくかの課題が常にある。
○事業所同志の連携促進
→互いの事業所の得意分野を生かして協力しながら商品づくりをしたり、発注に応じたりする体制が進めば、さらに良い商品づくりが可能だが、互いの事業所の情報源が十分でないので、事業所の情報公開を進めて、一括して得意分野がわかるようなサイトやデータがあるとよい

<一般就労できる人を増やすことによる経済的自立の促進>
○福祉事業所から民間企業への就労移行が進むしかけづくり
事業所が、就職できそうな人でも、利用料の収入減や商品づくりの担い手が不足することを恐れて、就職させたがらない場合もある。この部分のチェック機能や、あるいは就職支援のモチベーションが職員に働くようなしかけが必要だろう。
○福祉事業所と企業とのマッチング
→福祉事業所で就労訓練で取り組んできた仕事と同じ業種で働けるように、同業種の福祉事業所と民間企業をつないで、雇用のマッチングを行うようなしくみや職員同志の交流会があると良い。
○施設外就労の促進
→民間企業の環境では働けなくて事業所に来ている人も多いことから、福祉的サービスをうけながら、企業で働く練習ができる施設外就労の取り組みをもっと活発化するよう、受入企業への支援を手厚くする。また、 この際、既存の助成制度内でもずいぶん補填される部分があるので、それらについての情報を企業に知ってもらうような場も必要か。
○ソーシャル・インクルージョンのコンセプト・ソーシャル・ファームのしくみ
現状のように障がい者、ひきこもり、母子過程などの個別の就労支援をみんな一緒に含んだ形で就労訓練し、経済的自立をはかるソーシャル・ファームのコンセプトを取り入れていく取り組みも、初期投資の部分での助成があれば、企業や既存の福祉事業所でもトライアルしていくことは可能だろう。
ただし、ソーシャル・ファームのような一件新しい取り組みも、実は既存のしくみのなかで実施しようと思えばできないことではなく、既に「がんばカンパニー」でも実施しているし、行政の福祉助成を受けずにやっている北海道の協働学舎のようなところもある。

<障がい者自らが福祉サービスを選べるしくみ>
○情報公開の徹底
→閉鎖的な福祉施設の情報公開を徹底させることで、利用者が施設を選び、人がこない施設は自ずと淘汰される。そういう危機感がないと、既存のしくみでは、工賃向上や就職支援の目標を達成しなくても、職員の給与は減額されず、とりあえず計画をだせばほぼ補助金がもらえるという状況では、企業の経営者のような必死さで最低賃金保障や給与増額のために取り組む事業所は出てこないだろう。

<中間支援機関とコーディネーターの存在>
商売を軌道に乗せて、従業員に継続的にお給料を払っていこうというからには、それなりのコミットメントとマネジメント能力が必要である。まして、外からそういう人を応援して他人にやってもらおうというなら、小手先の助言や嘱託などの短期雇用者が担当するようなつきあいでは事業所の職員や支援する地元の人も巻き込めないだろう。中間支援者として、高い能力のあるコーディネーターの存在は不可欠だろう。

<その他>
担当課の役所の方々には、もっともっと現場を見て、そこの課題やニーズを知ったうえでの施策づくりをしていただくことが大事だろう。

多くの素晴らしい取り組みが、役所の支援なしでスタートしていることを考えると、給与より生活保護支給費が高い人が就労したがらないのと同じように、補助金などで助成することがかえって施設の自立を阻害している要因になっていることも見極めながら、障がい者がよりよく社会参画する方法について既存の枠にとらわれずに考えていくことが大切だろう。

        

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